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状況を一通り整理しようとした時あの声がした。



イイダ先生の声が。


「サイトウさん！大丈夫？！」


冷たいタオルを私の顔にあてながら何度か声をかけてくれていたが今まで気付かなかったみたいだ。



やっと返事をしようと口をひらいたとき、涙まで出ていた。



恥ずかしさとやっとイイダ先生に会えたことといろんな感情が一気に溢れて涙が勝手に出てきていた。



先生も何が何だか分からないといった顔だったがとにかく私をなだめようと頭を優しく撫でてくれた。



「どうして先生1人なんですか。」



今聞くことじゃないのに、卒倒する寸前の疑問が先に口から出た。




「それが、大事な講習会があって皆んなそっちに出てるんですよ。サイトウさんの今日やる治療は僕だけでも大丈夫なので、他のスタッフは全員そちらに向かわせました。あ、サイトウさんは僕だけじゃ不安ですよね。あはは。」




「いえ、全然不安じゃないです。」

(寧ろラッキーです)


心の声がそう叫んだ。