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触感

第1章 歯医者

あの歯医者からだった。


心臓が飛び出るとはこのことだ。


ヤバい。


この状況何?!



ドキドキを止める余裕なんかない。


とりあえず出よう。



「もしもし。」


「あ、もしもし、サイトウさんのお電話で間違いないでしょうか。」


「はい。」


「〇〇歯医者のワタナベですが、来週のご予約の件でお電話しました」


受付の女性だ。


「はい。」


「申し訳ございませんが、ご希望のおじかんですと、イイダが学会に出向くことになりまして、サイトウさんにお時間の変更をお願いしたいのですがよろしいでしょうか。」


「そうなんですね。」


「申し訳ございません。そのお時間優先ですと、他の医師でもよろしければ担当させて頂きますけどいかがなさいましょうか。」


やだ。イイダ先生が良い。


「そうしましたら、イイダ先生にお願いしたいので空いてる時間を教えていただけますか?」


「かしこまりました。その日は最終の19時というお時間のみになりますがいかがでしょうか。


「わかりました。結構です。19時に伺います。」


「かしこまりました。では19時に変更させて頂きます。お手数おかけいたしまして申し訳ございませんでした。失礼いたします。」

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