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井上真緒編

第6章 6

買い物をして、帰ったがいつもより早く帰ってきたので、外は少しまだ明るかった。それなので、ベランダから外を見ていた。夕日がオレンジ色だった。真緒の部屋は、7階建ての4階で、小高い丘から見ているように、景色はそれなりにはよく見えた。なんか穏やかで、ここにあのチアキがいるとは思えなかった。しかし、真緒が見ていた太陽は、真緒の感情と同じで寂しく感じさせるものだった。小倉のこともチリ子のことも、考えたくなかった。そして、カーテンを閉めて明かりをつけると、やはり、チアキが浮かび上がってきた。ただ、チアキを睨み付けてやろうと思った真緒は、チアキの様子がいつもと違うのを一瞬に感じ取った。自分もげっそりしていたが、チアキもそんな風に見えた。

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