やぶさか。さんの作者ニュース

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七回忌

一週間遅れて申し訳ない。ここに載せるのには一週間経ったけど書いたのはその日の夜だから勘弁して欲しい。


あれから七年が経って、あの日と同じ大きくて赤い月が出てる。

君たちに甘えて自分を正当化してしまう情けない己を変えるために、一昨年からもう君たちの墓には行かないと決めたけど、結局去年も今年もあそこに顔を出してる。

一年目二年目まではあの頃のままのススキ野原だったけど、三年目から住宅街の工事が始まって…七年目の今日はもう工事も終わって土地が出来上がってて、君たちのお墓の場所がはっきりと分からなくなってしまった。それでも近くにフェンスで覆われたススキや猫じゃらしの雑草野原があって安心したよ。

今年も手を合わせて、頭を下げて、「どうか成仏していて下さい」と心の中で反芻しながら祈りました。

動物でも猿でも人間の屑にでも頭を下げる事は出来る。

あの日、君が再び俺の元に現れなければ。あの日、君の目の前で飛ばなければ。あの日、君を奪い去ろうとしなければ。あの日、貴方を欲しなければ。あの日、部屋の前で出会わなければ。

君たちはあんな事にならなかったのかも知れない。

俺だけが未だこの世界を生きて歳を取っていく事を申し訳なく思います。あれから時は流れ色んな経験を積んで、あの時よりは色んな事を笑い飛ばせる様になったけど。今でも君たちを思い起こすと胸が痛みます。

俺が昔から大切にしてる曲の詩に「生まれ変わることはできないよ だけど変わっては行けるから」とある。前向きで心温まる残酷な詩だよ。
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