れい☆さんのレビュー一覧

  • [評価] ★★★★★

    「萌を‥‥俺にください‥‥」
    人は誰も還りたいあの日を抱いているのですね

    後悔と苦悩は柊の表情を歪めているのだろうか…とその背中を見つめるような思いでした

    そして

    『漂う俺と美弥子を
    粛々と押し流していた川は
    湖にたどり着いたように
    その流れを止めていた。』

    この美しい一文から始まる柊と美弥子さんのやり取りに端を発した記憶の数々が、柊の感情を翻弄するさまは鮮やかで、更に巽さんの旅立ちと還らない日々を印象づけ読み手を限りなく柊へシンクロさせる…
    唸りました!

    更新ありがとうございます!

    方をつける、とは果たして…
    思えば巽さんと柊がこの家で同じ時間を過ごすのはあの夜以来…切ないです
  • [評価] ★★★★★

    この夜は誰にとっても忘れられない一夜…

    萌の記憶の退行が繋げた夜とそこに重なる柊の述懐に胸騒ぎを覚えます

    更に柊に手渡された萌の携帯のシーンが不安を増大させるのです

    灰谷氏が口をつぐむ今、萌の身に何が起きたのかを記憶する唯一つのもの
    柊は見てしまうのか…どきどきするうちに萌の分身のように扱う柊とともに物語は次章へ繋がり、しんとした病室で向き合う美弥子さんと柊
    巧みなカメラワークを観るような展開に惹き込まれ、いっそう鼓動は高まるのです

    聖戦から罪と罰へ…
    救いはどこに…?

    真夏に見る雪は胸の中にも降り続けています

    更新ありがとうございます!
    美弥子さんの言葉が、優しく悲しいです…
  • [評価] ★★★★★

    眠り姫の目覚めがもたらしたものは安堵ばかりではない…

    看護師の説明を受けながら病室へ向かう柊の胸に少しの光が差したのも束の間、萌の言葉に心臓が凍りついたのを感じました

    会話の微妙なズレ
    バイト…一人じゃ寂しい…

    私たちはそれがいつのことを指すのか知っています
    お兄ちゃん、の呼び掛けは文字通りだったことに不安が掻き立てられるのです

    その不安は柊を全身で拒むかのような萌の様子で頂点に達してしまう

    短いシーンの中劇的な展開…唸りました
    それは更なるドラマの予感をはらんでいて和虎、灰谷氏、美弥子さんを思い浮かべるのです

    更新ありがとうございます!
    巽さんの元へ二人でいかれるのでしょうか…
  • [評価] ★★★★★

    そよとも
    空気は震えなかった


    人が永遠の旅に立つさまをこんなに静かに、切なく現す言葉があったとは…

    兆しを感じることができなかった悔悟、大切な人が消えても変わらない世界の無情
    柊の感情が胸に流れ込み、しばらく読む手が止まりました

    本当に何故今なんでしょう?
    そう考える時、それぞれの残る想いが禁断のドラマを更に大きく揺さぶる予感に息を呑むのです

    柊は萌と痛みを分かち合えるのでしょうか…
    こうなった今だからこそ、ふたり愛のもとに同じ風景を見ていてほしいと願います

    更新ありがとうございます!
    美弥子さんが間に合い、巽さんが一人ではなかったことに少しの安堵を覚えました…
  • [評価] ★★★★★

    神様
    頼むよ

    それぞれの思いを抱える三人に唯一共通するのは和虎のこの言葉でしょうか…

    夜を熱くしたシーンから一転病院の静の場面
    柊は病院が嫌いだったなと思い出しながら、あの巽さんとの和解の時は父子の別れの時でもあったのだと、萌の傍にいることを決めている覚悟が胸に迫ります
    痛みを分かち合うことこそ真の愛なのですね…

    また、今回柊と灰谷氏それぞれに対する和虎をしっかり見られたことで彼の魅力を改めて感じることができました

    柊や和虎の灰谷氏への気持ちの変化は何を描くのか
    萌や巽さんの容態を気にしつつ聖戦の行方から目が離せません
    次回柊sideで語られるものとは…

    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    まるでパズルのピースを繋ごうとするかのような和虎
    最後のピースが埋まった時浮かび上がる絵は、きっと誰も幸せにはしない…

    和虎の思考の筋道が的確すぎて、柊に恨みを持つものの繋がりからいつ由奈の名前が出るかドキドキしながら読んでいました

    その和虎をしても口を閉ざしたままの灰谷氏に、萌に傷を曝し癒されたあのひとときが重なります

    そして和虎の饒舌、灰谷氏の寡黙、柊の沈黙
    三人の対比が鮮やかで一幕ものの芝居を見るような緊張感に満たされるのです

    今は萌の無事と巽さんが持ち直すことを祈るばかりですが、巽さんの危篤を灰谷氏に告げる柊に新鮮な驚きを感じました

    続けての更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    今だ
    深い眠りにある姫のもと
    集いし者たちの嘆きが
    閉ざされた闇を凍てさせる

    永遠の愛を誓いし
    恋人の心はいかばかりか…
    守り得ず
    夜を行かせし己を責めては
    結びし唇を震わせるのか

    かつて
    姫に心救われし守護者は
    その義によりて口を閉ざし
    怒りの炎を静かに燃やせしか

    願わくば
    恋人たちに近く近く寄り添いし
    気高き騎士の
    大いなる愛と叡知が
    あまたの魂を救わんことを…




    更新ありがとうございます!

  • [評価] ★★★★★

    闇が、混乱する状況が、いえそれ以上に毛布と灰谷氏の機転が萌の姿を柊の目から隠してくれたことに大きな安堵を覚えました

    知られたくない…!
    和虎sideでありながら、この一点で灰谷氏にシンクロする感情は、疑いたければ疑えばいいと頑なな彼の思いに自然と重なってゆくのです

    けれど、萌を心配し、柊の心に寄り添い、灰谷氏を疑い、看護師にお姉さんと呼び掛ける…
    和虎そのものと云える描写はとても魅力的で、彼の存在の大きさをしみじみ感じました

    一瞬意識を取り戻した萌
    それは救いであり聖戦のその後の希望です

    この夜が繋がる先…しののめ様の筆に導かれる心地よさを改めて思いました

    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    一瞬の静寂と安堵は幕間にすぎなかったとは…

    はからずも前回のレビューで触れた要の言葉への漠とした不安が現実になったことに呆然としています

    それは萌の額が柊の手が、紅、ではなく黒く濡れてゆくことで更に不穏な気持ちを掻き立てられるのです

    そして和虎の必死の平静と露な感情のままの柊が、動かない萌をはさんで作り出す静と動のコントラストの鮮やかさ
    息を呑みました!

    『頬を撫でては抱きしめ顔を覗き込むことを繰り返す』柊の初めて見せる弱々しさは、倒された修斗に目を伏せながら和虎にシンクロして闇に目をこらす胸を苦しくさせるのです

    どうか、萌と柊に救いを…!


    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    傷つきながら愛する柊を守った萌
    その萌のため一撃を振り抜いた灰谷氏
    ついえた修斗の復讐…

    語る和虎にシンクロしながら、目の前で起きているかのような臨場感に拳を握り息を詰めていました

    熱い夜の終わる兆し…
    安堵とともにこの夜の向こうにいる巽さん、由奈、美弥子を思うとき、ドラマはきっと更に深くひとりひとりを繋ぎながら続いてゆく
    そんな思いを新たにしています…

    そしてふと思うのです
    柊の命は守られた…要の予言ははずれたのだろうか、と

    この夜がどこへ続いてゆくのか、胸が高鳴ります

    連日の更新ありがとうございます!
    今、『聖戦』の意味を噛みしめています…
    そして、萌を抱きしめてあげたい
TOPTOPへ