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おうさまの金曜日

91

viernes

ん〜おじさま…あつい…

92

ビアルネスは重い腕を退けて、汗ばむ体を冷やすようにシーツをめくって空気に触れる。
オトコの胸に甘えるように顔を預ける

93

viernes

おじさま、おじさま?えっ、キャア!

94

ふと、何かおかしいことに気づいて飛び起きた。添い寝していたのはシグマだった。

95

sigma

冷え切って震えていたからあっためてやっただけだ。なぜ、ここに戻ってきた?

96

viernes

あ、ありがとう…帰りたかったんだけど、道に迷っちゃって…アナタに聞くしかないかなって、怖かったんだけど戻ってきたら、誰も居なくて、寒かったから…ぐーぎゅるぎゅる

97

sigma

だろうな、この城内はワザと複雑に作ってある。寝てる間も鳴りっぱなしだったぞ、ハラが減ってるだろうメシを食うか

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シグマはベッドから降りるとビアルネスを抱きかかえて部屋をあとにした。螺旋階段を降りて薄闇の中をスタスタと足早に歩く、やがて水の流れる音が聞こえてくると月明かりの下にあの噴水があらわれた。

99

viernes

わぁ〜夜もキレイ

100

渡り廊下を弧を描くように歩いて屋内に入る。いくつかアーチを通り抜けていくと広いホールに出た。暖炉に火が焚べてあり、ちょうど良いソファにビアルネスを下ろす。

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