おうさまの金曜日・窃取篇
261
シグマ(獅真)
大した事じゃない…
(オレは送信しただけ)
そうだ、ビアルネス『洞窟スライダー』って知ってるか?
262
ビアルネス
知ってるよ。温泉テーマパークのヤツだよね?
263
シグマ(獅真)
分かるんだな?
今からそこに連れてってくれ、オレの世界へ戻れるかも知れない
264
シグマに半ば強引に押し切られ、ビアルネスはタクシーに乗って最寄駅に向かう。
シグマは車中の窓から、外の世界を田舎者丸出し状態で見ていた。
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シグマ(獅真)
ビアルネスの世界はすごいな…初めて見るものばかりだ
ゆっくり見て回りたかったな
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ビアルネス
そりゃ、驚くでしょ…馬で移動するような国から来たんだから
ねぇ、おじさんはどうやってここに来たの?
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シグマ(獅真)
ビアルネスと同じように、オスの精樹の中に落ちてみた…
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ビアルネス
ビーと同じ? オス…セイジュ…
でも、ビーは覚えてないよ…
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シグマ(獅真)
オレもよく分かってないんだが…
オレの世界に来たビアルネスと、現在では少し時間がズレてるかもしれないな…
270
タクシーを降りた2人は駅から特急列車に乗り込んだ。
シグマはキョロキョロして落ち着きがない子供のようだった。
車内の席に座り、ビアルネスはシグマに質問した。
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