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おうさまの金曜日・窃取篇

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シグマ(獅真)

大した事じゃない…

(オレは送信しただけ)

そうだ、ビアルネス『洞窟スライダー』って知ってるか?

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ビアルネス

知ってるよ。温泉テーマパークのヤツだよね?

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シグマ(獅真)

分かるんだな?

今からそこに連れてってくれ、オレの世界へ戻れるかも知れない

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シグマに半ば強引に押し切られ、ビアルネスはタクシーに乗って最寄駅に向かう。

シグマは車中の窓から、外の世界を田舎者丸出し状態で見ていた。

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シグマ(獅真)

ビアルネスの世界はすごいな…初めて見るものばかりだ

ゆっくり見て回りたかったな

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ビアルネス

そりゃ、驚くでしょ…馬で移動するような国から来たんだから

ねぇ、おじさんはどうやってここに来たの?

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シグマ(獅真)

ビアルネスと同じように、オスの精樹の中に落ちてみた…

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ビアルネス

ビーと同じ? オス…セイジュ…

でも、ビーは覚えてないよ…

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シグマ(獅真)

オレもよく分かってないんだが…

オレの世界に来たビアルネスと、現在では少し時間がズレてるかもしれないな…

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タクシーを降りた2人は駅から特急列車に乗り込んだ。 

シグマはキョロキョロして落ち着きがない子供のようだった。

車内の席に座り、ビアルネスはシグマに質問した。

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