おうさまの金曜日・窃取篇
271
ビアルネス
おじさんはどうして、コッチの世界に来たの?
272
シグマ(獅真)
ビアルネスにもう一度会いたかったからだ
273
ド直球な返答にビアルネスはドキドキが止まらなかった。
(それだけの理由で?マジやばい!やっぱり頭おかしいよ!)
電車が走り出すとシグマは車窓からの景色に夢中になっていた。
274
ビアルネス
えっと…ビーに会ったよ。
わたしは会うのは初めてだったけど…
これから、どうするの?まさか、おウチに帰ってお終いなの?
275
シグマ(獅真)
いや、ビアルネスと一緒に帰る。オレはオマエを掻っ攫いに来たんだ。
276
(誰か〜助けてぇ〜!ココに頭がおかしい人がいます!)
ビアルネスはひっくり返りそうになった。
277
ビアルネス
なんで、ビーも一緒に帰らなくちゃならないのよ!
コレって犯罪だよ?美少女誘拐だよ!
278
シグマ(獅真)
ん?美少女…どこに居るんだ。
目の前にいるのは小娘だから違うな
279
シグマに初めてからかわれて、ビアルネスは大きな声で叫んでいた。
「大人しく座ってろ、恥ずかしい」
シグマに諭される。
(ムッキィィィ〜!!!)
ビアルネスは歯噛みした。
280
電車は都会を離れ、郊外を通り抜け山間を走り抜ける。
シグマは相変わらず窓の外の景色を見つめている。
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