~初恋~
第38章 美里さん
ソファに座って俯く那奈
…………
沈黙を破ったのは心太くん
「泣いてた…よな?どうして?」
『わかんない…』
ほんとにわからない…
どうして泣いたんだろ
けど聞きたいことはあった
『先輩って…どうして嘘ついたの…?』
「嬉しそうに美里を紹介する那奈が悲しむと思ったから…」
『そっかぁ…』
素直に言ってくれても多分今と同じキモチにはなった気がする…
だから嘘ついた心太くんを責める事はできなかった
ずっとすきだったって言ってくれたのに…
ほら、また欲がでてくる
いつからこんなに欲張りになったのかなぁ…
「俺さぁ…高1の時に美里とであったんだ…」
心太くんは美里さんとの話をしだした…
正直ききたくない…だけどききたい
複雑なキモチでただ耳だけ傾けていた