~初恋~
第52章 戸惑い
翌朝
那奈が目覚めると心太くんはもうベッドにいなかった
リビングへ行くと心太くんは朝ごはんを用意してくれていた
「おはよ~ご飯できてんぞ!」
『えっあ…ありがとう!』
心太くんは普通にそう言って
那奈も普通に返事した
だけど普通じゃないってわかってる
だって…心太くんは目…合わせてくれない
ニコッって笑ってくれるんだけど…愛想笑いだよね…?
那奈がそうさせてるんだよね…ごめんね
「なぁ、那奈…これ食べたら家まで送るから」
心太くんはご飯をたべ下を向きながらそう言った
『えっ…』
心がぎゅぅってなった
「いや、ほら…那奈もいろいろ考えることあるだろ?俺と居たって上の空だしさ…」笑っ
心太くんは笑ってそう言ったけど、全然笑えてなくてむしろ泣いてるように見えた
『ごめんなさい…』
今、那奈は謝ることしかできなくて…ほんとなら
心太くんがだいすき
って言いたいんだけど…頭と心がごちゃごちゃでその言葉が出てこないんだ…
「ほら、そんな顔すんなって!気にしなくていいから…食ったら用意しろよ…な?」
いつだって心太くんは那奈の事を考えてくれるんだね
『ありがとう…』