テキストサイズ

ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第4章 波乱な一日が終わりを告げる

「そうか。それじゃあな。俺は帰る」
正直意外だ。こいつみたいな性格の奴ならもっと追求してくると思ってた。

「いいんですか? 僕が此処に来た理由を追求しなくても?」

「嗚呼、だっておまえ俺を追ってきたんだろ? それ以外になんかあんのか?」

「そう意味じゃなくてですね。なんであなたを追ってきたか、とか聞かなくていいんですか? って、意味ですよ」
多分こいつは気付いている。気付いていてめんどいからわざととぼける。

「ん? 嗚呼、そういうことか。別にどうでもいい。じゃあな」
今の言葉で俺の考えは推測から確信に変わった。

どうやらこいつは俺と同じ人種のようだ。何よりもめんどくさいことを嫌い、そして他人を信用していない。そして、めんどいことにならないためならその為の手段は選ばない。

そしてこれは俺の推測だが、多分こいつがこうなった理由は家にある。

その事を全て踏まえ、これ以上は進まないだろうことをさとり、わざと固まったふりをする。

「草風 慎。やっぱり面白い。……決めた! 絶対俺の物にする」
俺は、今日あったことに感謝しつつ、ターゲットを見つけた喜びを全力で表していた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ