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ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第6章 それぞれの過去 一

慎side


俺の家は昔から変わっていた。

それは、見ず知らずの男の人達がぞろぞろと沢山出入りしていたり、暴力などあたりまえで銃を持ちながら脅しているところなんかも幾度となく見てきた。

その出来事は俺を、俺と言う人格を屈折させるにはあまりにも簡単なものだった……。

ある日は親父が夜中に血だらけで誰にもばれないよう静かに入ってきたり。

またある日は自分の家から悲鳴が幾度となく叫び続けたり。

またある日は男達が喧嘩、いや、喧嘩なんていう生ぬるいやさしいものじゃない『人殺し』が行われていたりもした。

これらの出来事はすべて週単位でつきることなく永遠に続いていた。

そんな環境下の中で俺が見つけた、俺自身が導きだした答えは『心を消すこと』消すまでいかなくても『心を感情を表に出さないこと』それが絶対の法であり、自分が生き残るためのものだった。

そして、俺は『心を感情を表に出さないこと』をマスターした。けど、当時幼稚園児だった俺には理解が追い付いてこなかった。答えはわかったのにわからない。わからなかった。何故俺は感情を表に出しちゃいけないのか? 何故俺の家は普通の子の家と違うのか。

“何故俺がこの世界に生まれてきたのか”存在価値が見いだせなかった。いや、今も思っている。『何故俺は此処にいるのだと』…… 。

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