テキストサイズ

ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第6章 それぞれの過去 一

「おーい。草風く~ん。草風君起きて下さい」

うるさいな。誰だよ。まだ眠いんだよ。それに嫌なゆめみちったしよ。

俺は、仕方なくうるさい声の持ち主を見るため目を開けた。

「だ…れだよ。俺の睡眠を妨害するやつは…」

「あっ。起きましたか。また授業中にサボってたんですか?」

誰だし。って、またこいつか。毎度毎度現れやがってご苦労なこった。

「おい。久保田深夜。なんで此処にいる。今は授業中だろ。いいこぶんなくていいのか?」

「いいんですよ。そんなにうまく優等生キャラやってるわけじゃないですから。ところでいいんですか?」

なにいってんだこいつ。なにが『いいんですか?』 なんだ?

「はっ? なにがだ?」

「本田先生ですよ。探してましたよ? それも真剣に」

あぁ。本田ね。あいつか、、、。

「い、いいんだよ。あいつはああやって必死に探してれば」

「草風。ちょっとこっち向け」

何でだよ。めんどい。それに素に戻ってるし。いや、戻ってるどころかトーン低いし。なんか怒ってる? 逆らうとめんどくさそう…。

「はい。向いたけど? な…チュ…に……?」

な……。なんで…。なんでこいつの顔がこんな目の前に…?

「ハァハァ。な…んだ…ハァ…これ」

何だかクラクラする。俺、今こいつにキス……されてんのか? なんで?

「も……やめ。ハァハァ」

しかも、舌が……絡み合って……る?

なんだこれ。なんなんだ、これ。

逃げても、逃げきれない。追いかけてくる。練っとりと…絡み付いてくる。

「ハァハァ。深夜。プハァやめて……くれ」

「仕方ないな~。今日はこれぐらいにしといてやるよ」

そんな言葉と同時にやっと解放される。

息が、空気がやっと吸える。なによりも先に空気を吸いたかった。久保田にされたことに対して怒るよりもまず呼吸をしたかった。頭がクラクラした。熱かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ