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ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第6章 それぞれの過去 一

俺は屋上に行くまでの間、本田から渡されたものを見る。

それは、一見みれば只のタオルだった。けど、只のタオルじゃないことは持てばわかる。

タオルになにかがくるまっているのだ。

そして、人の気配がなくなったところでタオルの中身をみる。

なかには二つほどものが入っていた。

まず、一つ目。“手紙”て言うかメモ……?

んで、もう一つが“鍵”どこの鍵かは不明……。

……。これらのものを合わして見ると……。

「不思議だ……」

まあとにかく手紙(メモ)を読むか。鍵のこともなにかわかりそうだし。

『慎。もう気付いてるかも知んないけど、今この瞬間、誰かに見られている。くれぐれも注意してくれ。あと、鍵のことなんだが…鍵はこの学園のマスターキーだ。なにかと役にたつと思う。だから持っておいてくれ。間違っても絶対になくすなよ? 最後に一つ。絶対にへますんなよ? おまえのことだからこれから屋上にいって気配確かめそうだからねんのためにいっとくけど…。気を付けろ。んでもって愛してる』

へぇ。あの微妙な気配に気付いたんだ。それに学園のマスターキーねぇ。どっからてに入れたんだか。

そんで俺の行動が読まれていると…。

つくづくわかんないやつ。いや、この場合は食えないやつと言ったほうが正しいか?

「おまえがいうなら『約束』……守ってやるよ…」

そして、『信じてやるよ』…おまえのこと…。

こんな気持ちになったのは始めてだ。

喜べ、俺があの時、あの事件から他人を信じたのはおまえが一番最初だ。

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