テキストサイズ

ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第7章 それぞれの過去 二

何故か俺が小学校に入ると同時に大勢の大人達はいなくなった。

そして、他の子に比べれば少ないまでも、俺にも友達と呼べる存在が出来た。

そうやって俺の子ども時代は進んでいった。

――俺が小学校5年の時だった。いつも通り学校に行き、学校で友達とたわいのない会話をし、馬鹿して授業して、いつも通りの日々を過ごしていたある日。あとは学校から帰るだけって時だった。

その日は委員会があり、仕事が意外と長引いた日だった。

そのためいつも一緒に帰ってる子達には先に帰ってもらっていた。

その日の委員会が終わり、いつも通り学校から帰るために用意をし、校門を出たときだった。

その日がいつも通りじゃなくなったのは……。




********




『へぇ。この子があの、本田財閥のお坊ちゃまか…。綺麗な顔してるね。金が届くまで処理の手伝いでもしてもらおうかな』

『おい。俺にもあとでやらしてくれよ?』

そんな声が聞こえてきたのは俺が目を覚ました時だった。

「おっ。こいつ目が覚めたみたいだ」

「ほんとかよ」

「坊っちゃんなんで自分がこんなところにいるのかわからないって顔してるね。いいよ。おじちゃんが教えてあげる。それはね。俺達が拉致ったからだよ」

拉致……? 

……嗚呼。思い出した。たしか俺は…学校から帰る途中に後ろから誰かに口を塞がれて、ご丁寧にも前に出してきたビンからなにかを嗅がせられたんだ。

多分あれはクロロホルムだと思う。ものを覚えさせられてた時に、薬品のことを習ったことがあるから多分あってると思う。俺的にはエーテルのほうがいいと思うのに馬鹿だな。どうせドラマの影響とかだろう。

そんな奴等に捕まってる俺って……。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ