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ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第7章 それぞれの過去 二

今頃草風は屋上だろうな。ちゃんとメモ読んでるかな? 読んでくれないと困るな。

俺と草風が話す前から俺をつけていた奴がいた。だから予想してあらかじめメモを書き、鍵を入れてタオルを持っていたんだから。いつでも渡せるように……。まぁ、最後の文は俺と草風がさっきの話をするかどうかの賭けだったけど。でもま、結果オーライだよな。

……来たか……。

「もう草風はいませんよ」

「やっぱり気付いてたんだ」

「ええ、まあ。ところであなたの目的はなんですか?」

いや、目的よりも知りたいのは誰を狙っているかだ。

これが草風だったら俺は……。

「ふふっ、やっぱり君は優秀だね。君が知りたいのは誰を狙っているかでしょ? 教えてあげるよ。僕が狙っている人物は……三人いる」

「三人……?」

誰だ? この人が狙うとしたら立場上草風じゃないのか?

「その三人とは目的が一致している三人ですか? それとも目的は違うがこの学園に三人いる。という三人ですか?」

可能性が高いのは後者のほうだろう。

この人の仕事上での目的の人物と個人的なものでの目的の人物。

「そうだよ。答えは後者の意見だよ。君はやっぱりすごいね。あの頃のままだ。いや、あの頃よりもすごくなってる」

「……」

「だんまりか。まぁ、昔のことを思い出したくないって気持ちも解るよ。だってき「いいから答えて下さい。誰を狙ってるんですか?」」

今更昔の……こと…なんか。

「せっかちだね。いいよ教えてあげる。僕の狙いは、仕事上では草風 慎と久保田 深夜。そして、個人的に狙っているのは……本田 隼人。君だ」

「……」

なんで今更……。

「君は、なんで今更って思ってるね。でも、今更なんかじゃないよ。僕はずっと君のこと見てた。そう、今までずっと、ね」

「そんなことは知ってた。だからこそもう諦めたんだと思ってた。けど、なんで今更俺の前に出てくる?」

「それは、俺がおまえを諦めてなかったってことだな」

また? また続くのか? あれが……。こいつのせいで無くすのか?

――大事な人を――

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