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ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第8章 それぞれの過去 三

深夜side


俺がいた場所は変わっていた。それも、一枚の鏡のように。裏表がある。そう、言うなれば白か黒、どちらかしか同時には存在できないかのようなはっきりとした世界。……気持ち悪いぐらいはっきりと…した…世界…。

いつもは静かでのんびりとして、それでいて優しすぎて吐き気がするかのような平穏そのものの胸くそ悪い世界。

     ―普通の世界―

もうひとつは……普通とはかけ離れた暴力や権力、欲にまみれた人間が蠢く凄く汚くて、心休まる世界。

      ―俺の世界―

俺は、そんな白か黒の世界で生きていた。

きっと周りの奴等なら普通の世界が白で俺の世界が黒だと思うだろう。でも、俺は逆だ。普通の世界が黒で俺の世界が白だ。

普通の世界は曖昧であるが故に怖い。汚い。俺の世界は、騙しあいや権力争いはあるが普通の世界に比べたらよっぽどわかりやすい。

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