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短編集

第1章 トイレット

ぷふぃぃーーーーっっ!

男は絶妙な肛門さばきで、スカしてみせた。

―やりました!俺っ!10点10点10点10点10点、満点です!!渾身のスカしっ!決まったー!!!そして臭っ!!

ガッツポーズの男。
…そして3度目のノック。

コン、コン、コン、コン。
―なんでぇ?決めたじゃん俺!スカしたじゃん!コンコンコンコンって何?4回?!イ、ル、ダ、ロ?それとも、コ、ロ、ス、ゾ!ってこと?やめてー!もうやめてー!

男は完全に混乱している。
―もう、返事するしかないないのか?このままでは扉が開けられ、怪物が容赦なく入って来るだろう。怪物は俺をどうするだろうか?喰うだろうか?

ポタリと額から頬を流れた汗が顎まで達して、男の股の間に落ちた。

―ごめん、昨日食べた牛さん!でも仕方ないじゃん?接待だったもの!美味しかったけど!食べられて痛かったよね?ごめんね!

喰われてしまうかもしれない恐怖で、男は昨夜食べたすき焼きの牛肉に謝っている。
しかし、何を隠そう、いま男の肛門に達しているのは昨夜の牛肉が消化されたものだ。

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