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遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~

第3章 運命の邂逅

 ある朝、冷たくなっていた仔猫を抱えて、梨花はいつまでも泣いていた。ソルグクは泣き止まぬ妹を宥め、二人で家の裏に穴を掘って仔猫を埋めてやった。
 優しい梨花、可愛い妹。
 けして、妹をあの男に近づけてはならないと、ソルグクの勘が告げていた。
 駄目だ、あの男だけは絶対に駄目だ。認められない。
 ソルグクは大きく首を振り、やるせなさげな溜息をついた。

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