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「あんたは大行首の本当の息子じゃないんだってな」
　ソルグクは無造作に言った。
「ソルグク？」
　南斗の整いすぎるほど整った美麗な面に、愕きの表情がよぎった。
　―やはり、似ている。
　ソルグクは今更ながら、南斗と梨花の面差しが似ていることに気づいた。特に眼許、口許辺りは写し取ったように似ている。いずれにしても、並外れた美貌の兄妹であることは間違いない。
　どうして、今まで気づかなかったのだろう。やり切れない想いで眼前の尹家の御曹子を見つめた。
「あなたが何を言いたいのか、私には判らない」
　それでも、南斗はけして取り乱さなかった。女中の兄相手にも礼儀正しい態度を崩さない。