壁一枚 2nd
第19章 記憶喪失
美緒「…ぐっ…はぁはぁ…はぁ…」
明子の前で絶対
泣きたくなかった美緒は
泣きそうになるのを必死に我慢し一人で
大学を出た
午後からの授業もまだあったし
財布も携帯も全て置きっぱなしだったが
美緒は大学へ戻ろうとは
しなかった
美緒「…」
家に帰ろうかとも思ったが
鍵もカバンに入れたまま大学に置きっぱ
なしだった為
どっちにしろ一度は荷物を取りに
大学へ戻らないと
いけなかった
美緒「…」
勇樹「美緒!?」
美緒「…勇樹君」
勇樹「やっと見つけた」
美緒「…」
美緒を心配し
追いかけてきてくれたのか
息を切らしながら勇樹が美緒の前に現れ
た
心配してくれるのはありがたかったが
正直、勇樹は今一番会いたくない
人物だった