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第5章 甘い香りとしょっぱいキス

《卓也side》


あれから店を出たオレは、すぐに木下に追いついた。


「送ってくれてありがとう」


駅の改札口に着くと、木下は嬉しそうにオレを見上げた。


「家まで送れなくてごめん…」

「ううん、駅から降りたらすぐだから大丈夫だよ。ありがとうね」

「…じゃあ、また明日」

「うん、また明日…」



オレは踵を返し、歩き始める。




「さ…坂本くん!」




突然大声で呼ばれ、オレは驚きながら振り向いた。



「えっ…な、なに?」



木下の顔を見て、ドキッとする。




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