
359°
第6章 熱意と決意
ジェイソンはギターを肩から下げると、蒼士の隣に並んだ。
堂々と立ち、その恐ろしいマスクで観客を見下ろす。
「ジェイソーーン!!」
最前列の一部の男性客の集団から、声援が飛んだ。
ジェイソン登場に興奮しているようだ。
その中に順平も入っている。
ジェイソンはその声援に応えるようにステージギリギリまで前に立ち、手を挙げた。
マスクが目立つからじゃない、
どこか大物を感じさせる存在感が、彼から漂ってきていた。
ステージ慣れしてる…
「なぁ、ジェイソンが持ってるギター、マイケル・シェンカーモデルのフライングVじゃね?」
「だよな。後塗りしたのかなぁ」
後ろにいた男性たちの会話が聞こえた。
マイケルシェンカー?
うーん…全然わかんねぇや…
でも蒼士のギターとは全然違うよな、
蒼士のギターは、ギブソンのレスポールっていうギターだ。
それに比べて、ジェイソンのギターはVの字が逆さまになった形をしていて、いかつい。
ギターの種類って、色々あるんだな…
