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美人妻は性欲旺盛っ!

第23章 ひとりの戦い







「わかったら腐らない
どうせあんた
何時間も話聞いてくれるやつ
いないんでしょ?
いいよ、わたしに聞かせなさい
聞いてあげる

右京ちゃんの元カレ
ゆきのトラウマのあんたに
わたしねぇ…
興味があったのよ
ずっと会ってみたかったわ

わかりなさい
あんたの出る幕はないの
でもその前に」



「あ…」






 沙緒里さんの手が
 しょうくんの手を取って引き

 私の目の前に連れてくる






「願いなさい
あなたなら願える
自分を誉める
長かったわねぇ…偉いわ
あなたは悪い男だけど
あんまり悪くはなかったわ

おしまいにする前に
この子の幸せを願いなさい
でも自分を悪く思うな
この子たちは大丈夫だから

許されていい
わたしはゆきの姉だけど
あなたを許してあげられるわ

この子を好きになって
全部が消し去りたい過去だった?
恨んでも憎んでもいい
でも認めなさい
消すな、もったいないから
あなたはいい男だった
胸を張れ、自分を恥じるな

前を見る
こいつの不幸に胸が痛んだなら
あんたは全然いい男だから
わかったんなら
もうかき回してやるな
ばいばいしてあげなさい」






 右京は涙が出た

 苦しくて苦しくて、しょうくんがポロポロと涙をこぼし、本当の本当につらかったんだなと思った

 別れてからもずっと
 苦しめてきた

 そう思うと切なくて私の涙は枯れ果てるまで溢れていた






「俺…
片倉が好きだったよ
ありがとう
本当に…好きだった
好きになってよかったよ
ずっと後悔してたけど
ホントは後悔はしてない…
好きになったのがお前でよかった

…っ…ごめん…
だから…だからさ
俺の分も幸せになって
ありがとう
俺を好きになってくれて
ありがとう…」






 好きになってよかった

 そう言ってもらえるだけで
 救われる思いがした






「…っ…私だって……
好きになったのがしょうくんで
この人を好きになってよかったって
そう思ってます!
あなたが初恋でよかった!

ごめん…なさい…
ごめんなさいごめんなさいっ!

ありがとう…っ…!

ばいばい……!」






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