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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第13章 この先、何があろうと

「これは?」

「これは家に伝わる家宝なんだ。
これを託すよ」

渡される時に、お父さんの腕に力がこもっているのを感じた。

それを見て確信した。


…きっととても大切な物が
入っているんだ。

…お父さんにとって、
これは大切なものなんですね。


あたしはそれを受け取って、
静かに頷いた。


「お父さんの分も、
息子さんを幸せにします。
だから、心配しないでください!」


箱を握りしめて、伝わるように願いを込めて言った。


お父さんが大切なこの箱も、息子さんも。大切にしてみせます。離してって言われても離してやりませんから。安心して下さい。

あたしはお父さんに
深くお辞儀をした。


お父さんの泣きそうな顔に
気付かなかったように、
静かにその場を後にした。

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