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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第28章 危篤状態

あの日は全然元気だったのに、今はこんなにも弱弱しいお父さん。



病気って突然なるものじゃない。ゆっくり進行していくものだ。

あの日からお父さんの体は、もう危ない状態だったんだ。


きっとあたしに『つき合っていた事を言わないで欲しい』と言った時も、ずっとずっと危険な状態だったんだ。




…――何かがこみ上げる。


優も泣くのを我慢してるのに、あたしが泣いたらいけない。あたしより優の方が悲しいのに。



必死に堪えるのに、
堪えきれない。


そんなあたし達の感情とは裏腹に、機械音のリズムは下がっている。


・・・つまり、それは心臓の鼓動がゆっくりになってきたという事だ。

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