
あいどる君に恋煩い
第3章 ファン
あれから1ヶ月。
公演には毎週通い、
ファンレターは毎回書き、
私達はすっかりファンになっていた。
もう麻季乃も私の推しは把握済み。
初めての公演の後、
「今日は楽しかったねー!裕太くんかっこよかったなぁー!都も、祐斗くんどうだった♡?」
「祐斗くんかっこよすぎたよ……って、えぇ⁈ な、な、なんでわかったの⁈⁈⁈」
「わかるよーっあんだけ口あんぐり開けてガン見してたら(笑) 都分かり易すぎ(笑) でもなんでわざわざ隠してたのー?」
さすが麻季乃。
お見通しってわけね。
にしても…
そう、私もそこがよくわからない。なんでわざわざ隠したんだろう?
「んー なんで隠したんだろね? 私もわかんないや(笑)」
「何それー! ま、いっか、とりあえずこれからは毎週お互いに予定開けとこうね! ここに来るために☆」
なんて言われた…
やっぱ麻季乃にはかなわないなぁ…
でもそのおかげで、ファンとしてたくさん楽しめてるからいいんだけどっ
そんなことを思いながら私は学校の近くのカフェで1人でファンレターを書いていた。
