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あなたが消えない

第11章 絶頂感にひれ伏す

「…翼…翼…翼…」

わざと耳元で翔は私の名前を繰り返す。

息を吹き掛けながら。

「…俺の声…聞こえる?…俺の声で…感じて?…」

耳元が、こそばゆくなる。

……。

「…翼…愛してるよ…」

心臓がまた宙に浮いた。

生唾を何度も飲み込んで、翔の次の言葉を待つ。

「…翼も…言ってみて?…今の気持ち…言ってみて?…」

「翔、愛してる。愛してるから、お願い、ちょうだい…」

私は自分で言って、顔から徐々に身体が熱くなる。

「ダメだ…まだあげない…」

息が荒くなってくる。

翔が無言になると、私の耳に入ってくるのは、テレビの中でひたすら喘ぐ声。

…はっ…はっ…はっ………。

男のいやらしい淫語に、女が絶頂して喘ぐ声が聞こえる。

「…翼…テレビやっぱり気になる?…いいよ、解説してあげる…」

…はっ…はっ…はっ………。

私は翔の声を、息を荒らして待つ。

「…女は足をひろげて…凄い勢いで男が腰を振ってる…でね、女の口は別の男のを…くわえてる…あぁ~あ…また別の男がバイブで女の乳首をもてあそんでる…こりゃひどい…」

…んっ…はぁっ…あぁっ…んぅっ……

私は翔の声と、エロビの喘ぐ声で、自然と妄想して、感じた声が漏れる。

「…やばいな…なんだか、もうすぐクライマクックスみたいだ…」

やだ、もう頭がおかしくなる。

身体が震える。

下が濡れてくる。

「…翼…俺も、翼みたいに自分で慰めて処理していい?…」

「…ダッ…ダメ!…ダメだよ…」

「翼の名前…呼びながら…」

「…口でさせて?…お願い…」

「イ、ヤ、ダ」

……?

翔は私の頬に、熱く張りつめた硬いアレを押しあてる。

「…あぁっ…欲しいよっ…」

「イ、ヤ、ダ」

翔は意地悪に言って、私の側から離れてしまった。

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