紅桜学園イケメン部!
第13章 無力で愚か
俺は瑠菜を抱きしめながら、頭を撫でた。
落ち着くように、背中をポンポンと叩いてやる。
「とりあえず服、着ろよ」
俺にすがりつくように泣く瑠菜が落ち着いた所で洋服を着るように言った。
勿論、俺は後ろを向いた。
「お兄ちゃん、お母さん出て行ったって本当なのかな?」
「…っ、」
「お母さん今まであんな事されてたって…こと?」
お母さんのアザ。
出て行くときに見てしまった。
「お母さん俺らに隠してたのかな」
『転けちゃった』というお母さんの顔を思い出して、また泣きそうになった。
「俺ら、お母さんに置いて行かれたんだね…」
静かな部屋に悲しい位声が響いた。