紅桜学園イケメン部!
第24章 王子様
「みなみ」
「なっなによ!」
「みなみ?」
「…はいはい」
何だこれ、そう思いながらあたしはその場から立ち上がった。
「店戻りましょ?
あいつらキレてるんじゃない?」
「…もう出てきたら
いいんじゃない?」
拓己が意味不明な事を言っている。
出てきたらって、誰も隠れてないじゃない。
あたし達は立ち上がって、
後ろを振り向いた。
それとほぼ同時に、
後ろから『ドテッ』
という音が聞こえたのだ。
「なぁーお前ら?
いつまで俺ら見てるつもりなんだー?
俺がみなみとイチャイチャしてるの見て、楽しいのかなぁ?
それとも、俺らのいちゃいちゃ邪魔しようとしてたのかなぁ?」
ニヤリ、いつもの笑みを
浮かべる拓己。
いちゃいちゃなんて
した覚えないぞ!
決して今のは
イチャイチャではないぞ!!
…って!
『お前ら』って言ったよね?
どういう事なんだろう…