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紅桜学園イケメン部!

第26章 現れた男

「おいお前離せや」


拓己の声が聞こえる。
あたしは目の前の男のせいで、後ろを振り向けない。
…完全に掴まれているので、逃げられないのだ。


「よーぉ拓己、久しぶり」

「…みなみ離せや」

「お楽しみ中
だったんだけどなぁ~?」


お楽しみ中って何だよ!!

あたしは反論しようにも、
口を手で塞がれて言えない。

「…離せよ!!!!」


拓己は悠人を勢いよく殴った

実の兄貴に容赦ないなぁと思いながら、解放が解けて、あたしは拓己の方へ行った。


「みなみ、大丈夫?
…何かされてない?」

心配そうにあたしを見つめる拓己。

見た目も中身も
本当に王子様みたいだ。

「大丈夫だよ、とりあえず」


あいつがあたしに抱きついた理由が分かった。

…きっと、拓己を
怒らせたかったんだ。

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