紅桜学園イケメン部!
第34章 その〝場所〟
「お墓?」
「墓だねぇ」
「え、墓?」
「そうだね」
見渡せば、お墓しかない。
「なんで…?」
「あー…もしかして期待してた?
俺の事だからラブホ…」
「――とりあえず黙れ」
まぁ確かにまさかお墓に来るとは思わなかったから、変に身構えてしまった自分が馬鹿みたいだ。
とりあえず悠人が進む方に付いていった。
「墓?なんで…」
悠人が止まったのは〝神内〟と彫られた墓石の前で止まった。その目は真剣で、いつもの悠人とは違う表情をしていた。
きっとこれが〝本当の悠人〟の姿なんじゃないかな。無理して女好きみたいな事してるけど、本当は違うんじゃないかな。
直感的にそう思った。
…理由はよく分からない。