紅桜学園イケメン部!
第4章 モラルの無い奴ら
はぁ…。
試合の後は、悲惨だった。
「要くぅぅん」
「優雅ぁぁっ」
「拓己ぃぃぃぃぃぃ」
「るっりっくぅぅぅん!」
「りんりん~~りんりん~~」
まるでアイドルのライブのように、ファンが押し寄せるのだ。
「あたし、に…逃げるね?」
「にがさねぇよ?」
キャプテン要に抱きかかえられ、あたしも何故か追いかけっこに参戦するハメに。
魔物に追われる勇者の気分だ。リアルで夢に出てきちゃいそう。
「何であたしを巻き込む!?離してくれれば関係ないじゃない!」
「やだよ。その間に他の男にナンパされんだろ?」
されません。
何その思考回路。
こんなあたしがされる筈ないでしょ?
笑っちゃうよ、全く。
今の言葉を一言で表すと、げんなり。
試合でじゃなくて、その後での疲れなのだろう。