月葉記録
第35章 2月28日
18:24
老人と海/galileogalilei
「I love youは私たちの30年を食べてしまった」
父さんの声は冷たく響いて暗闇を伝っていった
その声に捕まりたくなくて僕は家の裏口から
白銀色の庭にいる犬のジョンと旅に出た
それは
I love youを見つけて 見つけて捕まえてさ
それから えっと どうしよう? ジョンは尻尾を振るだけ
そう とにかく元通り 元通りさせてやるさ
そして きっと クリスマス 3人で食べるシチュー
知らない街の街頭で若い二人がキスをしていた
I love youが現れて僕とジョンを笑ってるよ
リュックサックの中には3ドルぽっちと吹きガラスの瓶
二人が吐いた白い息 瓶の中に捕まえた
のに
I love youはいなかった いなかった どうしてさ
ねえ お腹すいたよ 帰ろうかな ジョンは手をなめるだけ
そう とにかく遠くへ遠くへ行ってみよう
そしてきっと 海に着くよ 線路のある 海へ
浜辺に小さな小屋があって
ベランダで老人が海を見てた
ずっとひとりぼっち?僕は聞いた
ジョンをなでながら彼は笑った
「I love youを食べるのに70年もかかってしまった」
そう言うと僕の瓶から白い欠片をつかみとった
どうやったの?と驚く僕の手のひらにそれを落とした
「君が捕まえたんだろう?優しい坊や ほら家にお帰りよ」
I love youを見つけた 見つけた
白くてすごく小さな欠片だったよ ジョンと家に走った
家に帰ると2人は泣き張らした赤い目で僕を待ってた
だからI love you 2人にあげたんだ
鼻声で母さんが言った
「あらこれって鯨の骨じゃない 懐かしいな砂浜と線路…」
こんな小説が書きたい(^^)