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きょうどうせいかつ。

第2章 しょくじかいで かんがえる。


食事ができましたと姫に呼ばれて、姫の後ろをついていくと、またも大きな部屋に出た。

どうでもいいことだが、この城に小規模な部屋はないのだろうか。ちっとも落ち着かない。

どかんと真ん中にテーブルがおかれていて、真ん中には燭台があり、蝋燭の炎がゆらゆらと揺れている。真っ白なテーブルクロスがいて、もうすでに食事が並んでいた。

勇者は一番奥の椅子に腰かけ、並べられている料理をじっくり見た。

柔らかそうなパンに、野菜や肉がたっぷり入った、具だくさんのシチュー。その隣には色鮮やかなサラダがおかれており、パっと見ただけでも美味しいことがわかった。何より、漂ってくる匂いが食欲をそそる。すぐにでも食べてしまいたかったが、そこは我慢した。

「どうぞ、お先にお食べください」

「いえ……。そういうわけには……」

「構いませんよ。何より、冷めてしまってはもったいありません。どうぞ、お召し上がりください」

じゃあ、と姫の行為に甘えて、一口シチューを食べてみた。

濃厚なスープに新鮮な野菜の旨味が出ていて非常においしい。
無言でスープを口に運んでいく。口の中に広がっていく旨味が心地いい。

「美味しいですか?」

姫の質問に答えられないくらい、必死でシチューを食べ続けた。もちろん、パンやサラダもとてつもなく美味しい。無我夢中で食べ続けてすぐに空っぽになってしまった。


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