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きょうどうせいかつ。

第7章 そしてふたたび よるになる。


彼女はある日気づいてしまった。

嬉しいはずの、この力が、人間から見ると、恐ろしい力であるということ。

姫である彼女は、国に帰ってしまうと、この力のせいで、迫害を受けてしまうのではないかと。

彼女は迷った。
勇者にこの事を話すべきか迷った。

もしかしたら、勇者も理解してくれるかもしれない。
この力を、恐れないかもしれない。

──だって、旅をしてきた人だもの。
きっと心が広いに決まっている。

彼女はそう決めつけて、日々を過ごしていた。

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