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きょうどうせいかつ。

第8章 しかけにんは おどろいた。


姫は少し驚いていた。
この二人、意外といいコンビかも。

「そもそも、共存させるメリットってなんだ」

「友達が増える」

「はあ?」

「いや、魔族とか、友達になってみたいやん。そりゃダミアンはもう友達やけど、もっとたくさんの人と仲良くなりたいし」

「それは、お前のメリットだろう?」

「そうやけど……。それの何があかんの?オレはオレの価値観でしか動けへんもん」

「──ははっ……。呆れるを通り越して笑えてきた。お前はどれだけ能天気なんだよ」

「その程度でいいと思うけどなあ。そんなん、ほんまにやってみな分からんし。どうだってよくないか?メリットなんて」

「よくないだろ」

「いや、だって──もし共存できたら

イザベラちゃん、幸せになれんねんで?」

「…………」

あ、黙った。
クリスはそう思い、自分も黙ることにした。

「……ふふっ。あははっ」

すごい、クリス。
勇者様が笑ってる。
頭がおかしくなったのかしら。

姫は密かにクリスを尊敬した。
クリスはそんなこと全く思わず、どうして勇者が笑っているのか分からず首を傾げていた。


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