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ふたりのカタチ

第7章 結婚式

3月の少し暖かい空気の中
2人の門出を祝う式は
晴れやかに始まった

何も知らない義妹のゆみちゃんと
緊張している弟…

2人を取り巻く笑顔とお祝いの言葉で
帰国していた父も上機嫌だった

私はというと
あれ以来やっぱり連絡をする勇気がなかった
弟がメールアドレスを教えてなくて良かった…
きっと毎日のようにメールを送ってくれてただろう

式の途中でかずちゃんに会うってことで
どんな顔をしてればいいのかわからず
お酒が進んでしまった

ムードを盛り上げるために会場が暗くなり
司会の声が響く…

「それではスペシャルゲストの登場です!」

会場のはしっこに置かれたピアノに
柔らかいライトが当たった

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