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ふたりのカタチ

第12章 おはようございます

自宅まで送ってくれる帰りの車の中で
西さんはずっとニコニコしていた

「送ってくれてありがとうございます」
「気にしないでくださいね。二宮にとって
大切な人ならば、私にとっても大切な方ですから」
「そう言っていただけると、心強いです…でも…あんまり笑わないでください…スッピンを笑われてるようで…」
「あ、すみません。違うんです。嬉しいんですよ」
「え?」
「…それに…何となく気づいていたので」

私たち…やっと昨日…
気づいていたってどういうこと?

「しばらくは二宮は何て言うか…仕事は真面目ですけど…それ以外は腐っていた…というか…」

例の件…が原因なのかも…

「ところがつい最近、美味しい料理が食べられて、コーヒーが旨くて、作ってくれる人も可愛いところがあるんだって…」

「二宮が嬉しそうに話をするんで『今度連れてってくださいよ』って言ったんですが…二宮、何て言ったと思います?」
「えっと…」
「連れて行かないよーでも…
そのうち紹介するよ…って」

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