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歪みの世界

第3章 異世界

まぁ、何かさせられる訳ではないなら良いかな。
いや、待てよ。
此の国のお妃になって貰うとか言ってた様な気がする。
「それじゃあ、アレは無しかな」
「アレー?あぁ、冗談ですよー。気にしないで下さいねー」
「なら、良かった」
ホッと胸を撫で下ろした。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



目が覚めたら、見知らぬ天井を覚醒しきれてない目でぼんやりと眺めていた。
不意に、人の寝息に気付き隣を見たら知らない浅黒い皮膚をした青年が隣で寝ている。
此処は、何処だ?
俺は夢でも見ているのではないかと、自分の頬を捻って確認した。
残念ながら、痛みを感じてしまった。
「あっ、目が覚めたんだね。トモキ君」
ニコリと笑いながら青年は言う。青年の面影が誰かを思いだそうとするが、思い出せない。
「……フェイ?」
呟いてから、自分自身が驚いた。何で、少年の名前が浮かんだのか。そして、隣で寝ていた青年に対して呼んだのか。
自分ですら、分からない。
「はい、僕はフェイですよ」
すんなりと認めた青年に多少驚いた。
「じゃあ、此処に兄貴が居るの?」

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