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秘密の蜜は甘い

第15章 喧嘩




リビングに居たお兄ちゃんが、「おはよう」と声を掛けてくれて、あたしはお兄ちゃんに勢いよく抱きついた。


多少驚いたものの、ぎゅーっと抱きしめてくれるお兄ちゃんに体を預ける。


お兄ちゃんは、
やっぱり完璧だ。



あたしが泣きそうになったりしていると、何も聞かずにこうやって頭を撫でてくれる。

きっとこれは
お兄ちゃんの優しさなんだと思う。


あたしは頭を撫でられながら、涙を拭った。


「…御飯食べる?」

「―――…ん」


階段を下りてきたリクと目が合い、あたしは俯いた。あたしはガキ過ぎて笑える。なんで『さっきはごめんね』位言えないんだろう?


あたしは御飯を食べ、それから結局一言も話せずに学校へ行った。

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