秘密の蜜は甘い
第4章 みんなの王子様
「レオくんっ!タオルですっ」
「あ、ありがとう」
俺はいつものように
渡されたタオルを使う。
今、鈴見てるかな。
きっとこうやって他の女の子からのアピールにも一応答えるのは、どこかで期待してるからなのかもしれない。
他の女の子と喋れば、鈴が嫉妬してくれるんじゃないかって。
無駄な期待をしてみちゃう。
実際鈴は嫉妬してくれる。
『あたしだけの
お兄ちゃんだもん!』
甘えん坊な鈴は、いつもそう言ってくれる。だけど本当に欲しい気持ちじゃない。
『兄貴』としての嫉妬じゃない。
俺はそんなんが欲しい訳じゃない。
…望むだけ、無駄。
俺は最近思う。
俺は他の女の子に騒がれなくても良いから、鈴の心を手に入れたい。
いつも思う。