秘密の蜜は甘い
第7章 救世主
足音が近づいてきて、リクはそっとあたしを離した。
「鈴、どうしたんだ?」
「お兄ちゃん!」
あたしは心配そうなお兄ちゃんに、ぎゅっと抱きついた。お兄ちゃんの腕の中は凄く安心するんだ。
、
「こいつ、サッカー部
3年に襲われたんだよ」
リクが呆れ顔でお兄ちゃんに言った。
「うん、だから潰してきた」
にっこり笑顔でそういうお兄ちゃんが…何だか怖い。普段優しいお兄ちゃんが『潰す』って何をやったんだろう?
「鈴、ホントごめん」
「…お兄ちゃん何も
悪くないでしょ?」
だってそうだ。
お兄ちゃんは何も悪くない。
なのに、自分の事みたいに
悲しそうな顔をするお兄ちゃん。