秘密の蜜は甘い
第10章 お祭り
沢山の屋台達があたしを誘惑する中、あたしはリンゴあめに走った。
「…とりあえず、落ち着こう?」
大きなリンゴあめを、
お兄ちゃんが買ってくれた。
やっぱり優しいなぁ…お兄ちゃん。
「リンゴあめは芸術だよね!
文化だよね!
これは世界何とか遺産に
登録していいレベルだよね!」
「…これ食べモノだからね。
建物じゃないからね」
「お前一回落ち着けや」
リクが苛々したように言った。
だけどこっちを見ない。
…何か変だな。
お兄ちゃんもリクも、こっちを全然見ないんだ。それも不自然な位に。