心から
第3章 心からの笑顔
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全速力で走り、河原に辿り着くと
スピードを落とし
小走りで河原をさ迷う。
何度もユメの名前を呼びながら。
「くそ…っ。何処に居るんだよ…」
小声でそう吐き捨てた時だった。
遠くの方で同じ学校の制服の女の子が見える。
大好きな人を見間違える筈もない、
あれは間違いなくユメだ。
僕は急いで駆け寄った。
ユメは僕の姿を捉えると、
少し困惑気味に話し出した。
「心配しちゃった?
へへっ。今日ちょっと朝から調子悪くてさ。
学校サボっちゃった」
作り笑い。
目が赤いのバレバレだし。