
真っ赤な家庭
第3章 取調室
「陰と陽ですよ。」
松本が真剣な顔で遺体の手紙の内容をそのまま言ってきた。
「お前、つけて来たのか?監察管じゃあるまいし、それより自分の仕事しろよ。」
「林さんと中村を心配しているだけですよ。」
「お前、一体何が言いたいんだ!
この前から変だそ。」
「無理やりにでも加代子に聞かなくていいんですか?
加代子は今一番安全かもしれませんよ。俺達よりも。」
「お前、まだ中村を…」
「林さんの想像にお任せしますとしか、今は言えません。」
おもいっきり殴ろうとしたが、あまりに真剣だったので一応聞くことにしたが中村が帰ってきた。
「どうしたんですか?」
一瞬に空気を読んだのか不快な顔をしていた。
「こいつがまた馬鹿なこと言ってんだよ、いくぞ。」
中村を連れて行こうとしたら。
「頑張って下さいね。」
松本が"聞いてくれ"と言わんばかりの強い口調で釘を押したかのようだった。
自分は自分の見たものだけを信じたい。
今までもそうだったから。
刑事として人の意見ばかりに左右するのは良くないが…
