兄と首輪
第8章 兄と鍵
ーーー春の…匂いが…する
あれから…私たち
西川家は…新たな家族として…
生まれ変わった…
私は…父さんと母さんに…
ちゃんと愛が伝わっていて…
私を育ててくれてありがとうって言えた…
血は繋がってなくても…今までちゃんと家族としてやってきたのだから…大丈夫
私と…兄の…関係…以外は…
父さんと母さんにもらったファミリーリングは…
兄の小さな巾着に入れ…
鍵のかかった引き出しに…
私と兄の指には…二人だけの秘密の…リングがひかる…
私は…ペアリングに触れ…
罪悪感と幸福感とを…両方…感じる…
でも・・・・・悪くない・・・
私は…兄と…両親と…
どちらも…手に入れる…
私は…ひどい…わがままな…
女・・・・・だ・・・・