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君の笑顔

第26章 肝試し ~ウラ~

俺が切り出すと
ふと、片野は静かになった。


「……ううん。もう二年前くらいかな?手紙が返って来なくて、それっきり。」

優が、片野の手紙を返さない?
なんだか信じられなかった。

「そうなんだ」
なんて声をかけてやったら良いのか分からなかった。

ただ、
俺は片野の手をしっかりと握っている。


「…忘れたのかな、私のこと。」


暗闇で片野の声が震える。

「それは…」

俺は優じゃないから分からない……
でもきっと忘れてなんかいない。

片野は、

忘れられるような人じゃない。

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