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君の笑顔

第27章 肝試し ~陽介~

なんで、俺はこんなに傷付いているのか。



ウラが片野のことが好きなのも

片野が福島と回るのも


何も俺には関係のないことのはずなのに。



なんか、この二泊三日が始まってから、片野のことについて悩みすぎじゃないか?


「山崎くん、もしかして怖いの苦手?」


クジを引いて一緒に回ることになった子が言う。


確か名前は…松島だったかな…

「いや、別にそんなことないけど」

「そうなんだ…全然しゃべらないから、怖がってるのかと思ったよ。意外ともの静かなんだね。」

そう言って松島は前を向いた。


暗くて表情は読めない。


「意外かな?」


そんなにいつも騒いでいるようには思わないが…


「うん。だっていつも、和泉ちゃんと楽しそうに騒いでるじゃん。結構元気な人だと思ってた…」


ドキ



またいちいち片野のことに反応している自分に気付く。


そんな自分にいい加減に苛立ちを覚える。


「こっちが本当の俺だから。松島さん。」


名前に自信がなく少し声が小さくなる。



「ふーん。まぁどっちでもいいけど。あ、もうすぐ順番だよ。」


特に訂正がなかった様子を見るに、やはり彼女は松島さんなのだろう。

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